2023年10月18日(水) 17:00-19:00 にWebinar【データ連携基盤と製造業DX(第3回)- 海外のデータスペースが産業界に与えるインパクトと日本企業の課題 -】を開催いたしました。
Webnarで、事前にいただいたご質問、チャットでいただいたご質問に対する回答をQ&A資料として掲載致します。
■Q&A資料
ここに記載の回答は登壇者の講演会時点での見解を述べたものであり、内容を保証するものや、RRIとしての見解を表明するものではありません。
カテゴリ | 項 | 質問ステータス | 質問 | 回答 |
個別のユースケースについて | Q1 |
Webinarで |
バッテリーの再利用市場においてテスラの動向や影響力はどう考えれば良いでしょうか? | テスラは電気自動車販売台数が世界トップクラスのため、今後廃棄されるEV電池もテスラ由来が多いという意味で影響力は大きい上に、テスラからスピンアウトした電池リサイクル企業のRedwood Materialsは今年に入ってシリーズDの投資ラウンド、すなわち収益が安定しIPOのようなイグジットを検討するフェーズに入り、アメリカ政府から20億ドル、投資家から10億ドル以上の資金調達をしており、規模拡大による安定的な回収と再利用のクローズドループが実現できるレベルに達している。テスラもRedwood MaterialsもMOBIには参画していないため、独自のネットワークを構築する可能性があり、よい成功例となれば、Redwood Materialsとテスラのやり方がデファクトになっていく可能性も否定できない。 |
Q2 | Webinarで 回答済 |
バッテリーパスポートとは結局何なのか?バッテリーに関する情報を提供・受領できる仕組みが必要、と理解すれば良いのか?メーカーが何をやれば良いのか教えて欲しい。 | 電池のライフサイクル全体にわたる情報をデジタルフォーマットで収集および共有し、バッテリーの製造、使用、保守、リサイクルに関する情報を管理するための仕組み。 ・バッテリーメーカーは、バッテリーを識別し情報を関連付けるためのQRコードの取り付け、QRコードからバッテリーの製造や使用に関する情報へのユーザからのアクセスを可能にすることが必要。 ・バッテリー部品や素材メーカーは、各バッテリーの識別子毎に必要なリサイクル率などの製造履歴や性能などに関する情報をバッテリーメーカーに提供できるような準備が必要。 ・自動車や家電のようなメーカーは、製品に組み込まれたバッテリーに関するデータを収集し、バッテリーの製造情報、使用条件、保守履歴などを適切に管理できることが必要。 |
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Q3 | Webinarで 未回答 |
欧州電池規則はバッテリーパスポートに関連して、メーカー以外の利用者にも何らかの(報告)義務を課す、という事はないのか?例えば、リサイクル率に関する情報は誰が報告義務を負うことになるのか?メーカーでは分からないのでは。 | 適合性評価を受ける必要があるのはバッテリー完成品であり、報告義務があるのはバッテリーメーカー或いはその供給者である認識。一方で、報告必要なパラメータとして化学組成やDDに関わる情報が含まれており、バッテリーメーカー以外からも情報吸い上げは必要。 使用済電池の重量比での回収率をバッテリーの生産者が報告する義務があり、使用済バッテリーの回収業者は生産者或いはその代理企業に引き渡すことが義務付けられている。質問にあるバッテリーのリサイクル率に関する情報の報告義務は生産者にあり、DDも含め正しい情報が入手できるようサプライチェーンの管理をすることが求められているとの認識。 |
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Q4 | Webinarで 未回答 |
Catena-XではCFPに関して、PACTを参照していると理解しているが、それは例えば日本のGreen x Digitalのフレームワークに則ったPACTベースのアプリとデータ互換がある、という事なのか? | アプリで扱うデータの互換性はデータ項目などデータモデルが揃っているかによるもので、Catena-Xも、PACTのPathfinder Frameworkのデータモデルをベースにスタンダードを規定しているため、項目の顔ぶれが大きくずれることはないと思うが、詳細は要確認。また、データモデルだけあっていても、計算ルール(例えば、輸送のPCFは上流側がもつ)が異なっていれば企業間で交換するにふさわしいデータにならず、相互運用性がなくなる。どちらも必要。 | |
データスペースの構造について | Q5 | Webinarで 回答済 |
Catena-Xのアーキテクチャ(階層)の各レイヤーは誰が参画できるのか?そのためのルールは開示されているのか?どこがオープンになっていて、どこがされていないのか知りたい。 | Catena-Xでは、Catena-Xが定めたスタンダードを満たすことでCatena-XからCertificateが発行され、参画できるようになる。そのスタンダードは、役割毎に満たすべきものが定められている。 ・通常の参加企業は、DataProvider/Consumerと呼ばれ、この構成を活用してデータ交換をする。 ・ユースケースを実現するためのアプリケーションを提供する企業はBusiness Application Provider と呼ばれ、前回ご紹介のあったSiGreenを提供するSimens様のような企業が該当する。 ・EDCaaSの提供など、データ交換のネットワーク構成に必要な環境を提供する企業をEnablement Service Providerと呼ぶ。 ・そのほか、Core Service Provider以外にも、参画の手続き支援をしたりアドバイザリーを行うOnboarding Service ProviderやConsulting Service Providerなどが存在している。 ご質問にある“ルール”とは、守るべき標準と利用のためのプロセスの二つを意味していると理解する。 ・守るべき標準という観点では、Certificate取得のためにフォローすべきスタンダードがCatena-XのHPに開示されている。 ・利用のためのプロセスの観点では、Certificate取得後、Cofinity-Xとの契約や各種サービスプロバイダーとの契約などのプロセスが書かれた公開文書はないので、直接Cofinity-Xに問い合わせるか、接続支援をしている企業に協力依頼するといい。 基本的にすべてのロールがオープンになっていて、Certificateを取得すればCore Service Providerにもなることができる。運営のための技術標準もオープンソースとして公開されている。但し、BPN発行や認証認可など、一部のCore Serviceは技術的な制約から、1社、即ちCofinity-Xしか提供できないとされており、クローズな部分である。 |
Q6 | Webinarで 未回答 |
Cofinity-Xが運用事業者第一号、とのことだが、運用事業者に求められる要求事項は誰が決めているのか、どこかに開示されているのか? | Catena-Xアソシエーションが要求事項をCatena-Xスタンダードとして定めており、運用事業者即ちCore Service Providerになるための要素がCatena-XのHPに公開されている。 | |
Q7 | Webinarで 未回答 |
Catena-XにおいてStandard Libraryがあったと思うが、そこにリストされているRule Bookとはどのようなものなのか?各ユースケースと関連しているのか? | ユースケースと関連している。例えばCX-0029では、PCFの算定ルールが定められており、計算の範囲、配分ルール、輸送や廃棄物処理、電力の扱い、データの信頼性評価方法などについて記載がある。蛇足ではあるが、日本でも同様のガイドラインが定められているが、必ずしも一致していない。JAMAでも検討中とは伺っているが、相互運用性の観点から、日本でのルールとどのように合わせていくかは課題。 | |
Q8 | Webinarで 回答済 |
Catena-Xのサイトは現在、日本からアクセスできなくなっているが、いつアクセス可能になるのかご存じですか? | 近々、解消される見込み。 | |
対応を考える | Q9 | Webinarで 回答済 |
中小企業がプラットフォームに参加する上でのハードルと、そのハードルを取り除くために実際に取られている対策について教えてください。 (Catena-xの事例でも、日本のウラノスエコシステムでも構いません。) |
ハードルという観点だと、Certificate取得のハードル、技術的ハードル、コストのハードルがあるのではないかと考えている。 <Catena-X> Catena-Xでは、業界全体でのネットワーク強化には中小企業の参画が重要と考えており、わずかなITインフラ投資にて中小企業が参画できるように、下記のような対策がある ・Certificate取得:DataProvider/Consumerは手続きが簡易で、コスト不要 ・技術:中小企業対応のソリューションを検討(PCF計算の支援環境の提供などがあると記載はあるが、APIでのデータ連携や画面入力の習熟など、ある程度のリテラシは必要) ・コスト:Catena-XのCertificateはコスト不要、Cofinity-Xとの契約は従量課金になるので中小企業の負担は相対的に少ない、BA利用のコストはかかるが料金体系はわかっていない) <Ouranos Ecosystem> JAMAやJAPIAからの要求も考慮し、サプライヤ側の利用がしやすいものを目指し開発中 |
Q10 | Webinarで 回答済 |
日本における統一的な取り組みについてはまだ明確に見えませんが、現段階での方向性などについてご説明頂ければ幸いです。 | デジ庁ではData-EX、経産省ではOuranos Ecosystemがあり、必ずしも一枚板での取り組みにはなっていない認識。 本来大局的な日本の方針が先にある必要があるが、デジ庁が発行している包括的データ戦略という文書には、発行タイミングにおいてOuranosが存在していなかったこともあり、Data-EXに関する記述のみとなっている。 一方で、法規制対応という明確なドライブになるユースケースを取り扱うことから、Ouranos Ecosystemは後発ではありながら重要な存在になりつつある。Ouranos Ecosystemでは、欧州電池規則対応以外にも広げようとしており、その他法規制対応のためのアプリケーションの実装やCatena-Xとの相互連携、将来的に日本企業にとって有益なユースケースを検討中。 日本の国力を底上げする観点では、Data-EXのような取り組みは必須であり、政治的な側面はありつつも、両者の存在価値を高めていくようなすり合わせ、すみわけが必要という認識。 |
以上